妊娠がわかったとき、嬉しさと同時に「仕事はどうしよう?」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
特に介護職は体力的な負担が大きく、妊娠中の働き方に悩むことも少なくありません。
「いつ職場に報告すればいい?」
「どんな業務なら続けられる?」
「無理なく働くために気をつけることは?」
このような疑問を抱える妊婦さんが、安全に、そして周囲と協力しながら働くためのポイントをまとめました。
妊娠中も安心して働ける環境を整え、無理なく仕事を続けられるよう、一緒に考えていきましょう。
妊娠を職場に伝えるタイミングと報告のポイント
職場への報告のタイミングは早めがオススメ!
妊娠したらすぐに職場に報告すべきか迷うところですが、一般職では安定期(妊娠12週〜16週)に入る頃に報告することが多いようです。
しかし、介護職の場合は心身の負担も大きいため、早めの報告がオススメです。
とはいえ、妊娠検査薬の結果だけで報告するのではなく、産婦人科で確認した後に報告するようにしましょう。
以下のようなケースの場合は、遠慮せずに早めに妊娠したことを打ち明けましょう。
特に、不妊治療の末に妊娠した人、流産を経験した人は、妊娠中の不安が大きいと思います。
不安な気持ちも上司に伝え、配慮をお願いしましょう。
お腹の中の赤ちゃんを守れるのはあなただけです!
妊娠を報告するときは、自分の希望も伝えよう
報告時のポイントは、冷静かつシンプルに伝えることです。
「妊娠しました」と伝えるだけではなく、今後の働き方についての希望も簡単に伝えておくとスムーズです。
職場によっては、妊婦の業務負担を軽減するルールが整っていないこともあります。
その場合、「どんなことを配慮をしてほしいか」を具体的に伝えることが必要になります。
その際に便利なのが、「母性健康管理指導事項連絡カード」です。
- 妊娠中や出産後の女性が定期の健康診断を受診
- 健康診断の結果、主治医により配慮が必要だと判断した場合、このカードにその内容を記入
- そのカードを職場に提出し、必要な措置を申し出る
- 職場(事業主)はカードに書かれた内容に沿って対応を行う

詳しいことはこちらを確認してみてください。
妊娠中の働き方|できる仕事&避けた方がよい仕事

妊娠後でも“できる仕事”と“避けた方がよい仕事”を理解することで、体への負担を減らしながら働き続けることができます。
妊娠してもできる仕事
レクリエーションの準備・進行
座りながらでもできる業務で、利用者さんとのコミュニケーションも取れます。
私が働いていたときも、妊娠中の職員が折り紙や塗り絵の準備をしてくれたり、レクレーションを進行してくれたりして、本当に助かりました。
「何か手伝いたいけど、身体介助は厳しい」という妊婦さんでも、現場の雰囲気を作る大切な役割として活躍できます。
記録・事務業務
パソコンや手書きでの記録作成なら、座りながら負担なくできます。
妊娠中の職員がケース記録やバイタルの記録の入力を担当してくれたことで、他の職員は身体介助に集中できます。
記録作業は意外と重要な役割なので、「サポートしてもらえて助かった!」と現場からも感謝されやすいです。
配膳・下膳・食器洗い
食事の配膳や下膳、食器の片付けなどの軽作業は、無理なく取り組めます。
ただし、つわりの時期は食べ物の臭いで体調が悪くなる妊婦さんもいるので、無理しないことが大切です!
食事介助
体への負担は少ないですが、誤嚥のリスクがあり、集中力が必要な仕事です。
また、つわりの影響で食事のにおいが気になることもあるため、無理のない範囲で行うことが大切です。
掃除・洗濯・シーツ交換
自分のペースで動けるので、妊婦さんでも無理なく対応できます。
でも、「重いものを持たない」「腰に負担をかけない」など、身体への配慮は必須です。
私の職場でも、シーツ交換や軽い掃除は妊娠中の職員が担当してくれていて、助かりました。
利用者の見守り
利用者さんの安全を見守りつつ、声かけや話し相手になることも大切な仕事です。
普段は忙しく、ゆっくりと話せないため、コミュニケーションをとってくれる職員はとてもありがたい存在です。

人によってつわりの症状も違うので、できることを見つけて働きましょう!
私が働いていたときも、見守りや食器洗い、洗濯たたみをしてくれて、本当にありがたかったです。
妊娠したら避けた方がよい仕事
入浴介助
入浴介助は体への負担が大きい仕事の一つです。
また、浴室の床は滑りやすく、転倒のリスクが高いため、妊婦さんは避けた方が良い仕事の一つです。
排泄介助
トイレでの排泄介助であっても、ベッド上での排泄介助であっても、体には負荷がかかります。
また、臭いで気持ち悪くなるケースなどもあるため、体調が優れないときには避けた方がいい仕事といえます。
夜勤の勤務
夜勤の業務は少人数で対応するため、一人当たりの仕事量が増えます。
そのため、日勤の仕事よりも負担が大きくなりがちです。
また、生活リズムの乱れから体調不良を招いたり、腰痛やむくみ、子宮の張りの原因になるため、夜勤も避けるべき仕事の一つと言えます。
利用者の移乗介助
移乗の介助では、利用者を支えることもあります。
重いものを持つことで、流産や早産のリスクが高まります。
また、移乗介助中に利用者が急に動いたり、バランスを崩す可能性もあります。
その際、妊婦さん自身が転んで、お腹をぶつけたりする危険性もあるため、避けた方が良いでしょう。

私の周りでは、頑張って働きすぎて、緊急入院や早産になった方もいました。
周りを気遣って動いてしまう気持ちもわかりますが、体を第一に考えてくださいね!
妊娠中の仕事の工夫|安全に働くための4つの対策
妊娠中も安心して働くためには、無理をせず、自分の体調に合わせた働き方をすることが大切です。
安全に働くためのポイントを紹介します。
- こまめに休憩を取る
- 周囲に協力をお願いする
- 感染症対策を徹底する
- 職場のサポートを積極的に活用する
こまめに休憩を取る
妊娠中は普段よりも疲れやすく、長時間の立ち仕事が負担になることもあります。
意識的に休憩を取ることが大切です。
- 短時間のこまめな休憩を意識する
- 低血糖やつわり対策として、飲み物や飴を持ち歩く
- 足のむくみ対策に着圧ソックスを活用する
周囲に協力をお願いする
「周りに迷惑をかけたくない」「自分でやった方が早い」と思うようなことでも、遠慮せずに周りに頼ることが大切です。
また、突然気分が悪くなることもあるため、早めに相談することも重要です。
ただし、なんでも頼んでしまうと周りからの批判を受けることがあります。
体調に合わせて、できる仕事は積極的に取り組んでいきましょう。
- 周りに今の体調とできる仕事を伝えておく
- 重いものを運ぶときは、「少し手伝ってもらえますか?」と声をかける
- 手伝ってもらったときには感謝を伝え、気持ちよく仕事ができるようにする
感染症対策を徹底する
妊娠中は免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。
特に介護の現場では、インフルエンザやノロウイルスなどの感染リスクがあるため、しっかり対策をすることが重要です。
- 手洗い・うがい・手指消毒をこまめに行う
- マスクを着用する
- 利用者との接触後はすぐに手を洗う
- ノロウイルスやインフルエンザの流行期には感染リスクの高い業務を避ける
職場のサポートを積極的に活用する
職場によって、妊娠中の業務軽減をしてくれるところもあります。
自分の職場では、どんな対応をしてもらえるのか事前に確認しておきましょう。
- 過去の妊婦さんの働き方を確認する
- 制度を早めに確認し、利用を前提に考える
- 有給や時短勤務の相談をし、無理なく働ける環境にする
まとめ|無理せず、自分の体を最優先に
妊娠は喜ばしいことですが、職場では今まで通りの業務が難しくなることで、周りの職員に負担がかかるのも事実です。
本来は、誰もが安心して妊娠・出産を迎えられる職場環境が理想ですが、現実にはまだ十分に整っていない施設も多いでしょう。
そのため、妊娠すると「周りに迷惑をかけたくない」と気を使いすぎてしまうこともあるかもしれません。
ですが、お腹の赤ちゃんを守れるのは、あなた自身です。
無理をするのではなく、「職場に配慮を求めるのは当然のこと」と考え、遠慮せずに相談しましょう。
それでも職場の理解が得られず、負担が大きいと感じる場合は、休職や退職を選ぶこともひとつの方法です。
何よりも大切なのは、あなたと赤ちゃんが健康で、安心して過ごせる環境を見つけること。
無理なく、自分を大切にしながら働ける道を選んでくださいね。
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