「職場に苦手な人がいて憂うつ…」
「同僚が全然働いてくれなくてイライラする!」
こんなふうに 人間関係が原因で仕事が辛くなることはありませんか?
実は、職場の人間関係をラクにする一番の方法は 「意識を自分に向けること」です。
私は介護施設で10年以上働き、多くの職員と関わってきました。
その中で、良好な人間関係を築くことができる職員は、全員がメンタルが安定していることに気がつきました。
この記事では、人間関係のストレスを減らし、気持ちを楽にする方法をお伝えします。
結論はシンプルです。
人間関係に悩んだときこそ、意識を自分に向けてみましょう。
それだけで、視野が広がり、イライラやストレスを減らし、寛大な心を持てるようになります。
介護従事者が仕事を辞める原因、1位は人間関係
公益財団法人 介護労働安定センターが行った『令和5年度「介護労働実態調査」結果の概要について』によると、介護従事者の退職理由は「職場の人間関係に問題があったから」が最も多いという結果でした。
このデータによると、34.3%が退職の理由に人間関係を挙げています。
実際にはそれ以上の介護従事者が、人間関係に悩みながら働いていると考えられます。
職場の人間関係が悪化する原因
様々な価値観の人がいる
介護現場には、年齢も違えば、経験も違う、近年では国籍も違う様々な人達が集まります。
そのため、同じ“介護職員”という立場でも、価値観や考え方に違いが出てきます。
例えば、仕事の進め方についても、効率を重視する人、利用者の心に寄り添うことを重視する人が衝突することがあります。
さらに、新人職員と経験豊富なベテラン職員との間に価値観の違いが生じると、摩擦が起こりやすくなります。
価値観の違いを理解し、お互いに尊重することが大切ですが、それが難しく、人間関係に悩んで疲れてしまう介護職員は多いのです。

価値観が合わないと感じても否定しないことが大切です!
人手不足で体力的にも精神的にも余裕がない
介護業界は慢性的な人手不足に悩まされています。
一人一人のスタッフに対する負担が大きくなり、心身ともに疲れ切っていることが多いです。
シフトが厳しく休憩が取れないことや、急な残業をお願いされることもあります。
こうした過重な労働が続くと、精神的な余裕がなくなり、他のスタッフへの気配りや協力が難しくなることがあります。
ストレスが溜まると、些細なことでもイライラしてしまったり、コミュニケーションが不足しがちになり、職場の雰囲気が悪くなります。

余裕がないときには、口調も強くなってしまいます。
これはストレスが溜まってきているサインです!
職員の教育環境が不十分
介護職は高度なスキルと知識が求められますが、職場によっては、スタッフへの教育が十分でないことがしばしばあります。
新人職員への指導が不足していると、業務の効率が下がるだけでなく、ミスが増え、他のスタッフへの負担が増えます。
これが積もり積もって、人間関係に悪影響を与えることもあります。
また、新人職員はミスが続くことによって、仕事に対する自信を失い、職場に対して不満を持つようになり、退職につながることもあります。

人手不足のため、教える側も丁寧に教えられない現状があります。
そんなときには、気にかけてあげるだけでも有効ですよ!
異動が少なく、人間関係が固定化される
介護施設では、同じメンバーで長期間勤務することが多く、異動が少ない職場も珍しくありません。
そのため、人間関係が固定化されやすく、特定のグループや個人同士の関係が密接になりすぎることがあります。
苦手な人がいる場合でも関係を避けにくく、長期間にわたって同じ環境で働き続けることでストレスが蓄積しやすくなります。
また、新人職員がチームに馴染みにくい状況が生まれ、人間関係の難しさから職場に居づらくなってしまうケースもあります。

職員同士で仲良くなることはいいことですが、排他的にならないよう注意が必要です。
責任が重い仕事のため、ストレスを抱えやすい
介護の仕事は、利用者の健康や安全に直結する業務が多く、少しのミスでも大きな影響を与えます。
そのため、介護職員は常にプレッシャーを感じやすい環境にあります。
日々、利用者の急変や予期しない事態に迅速に対応しなければならないため、精神的なストレスが溜まりやすい状況です。
こうした環境では、職場での支え合いや、心のケアを行う仕組みがないと、ストレスが蓄積し、職場の人間関係にも悪影響を及ぼします。

研修やプロジェクトで急に仕事が増えて、強いストレスを感じることもありますよね!
職場の人間関係をラクにする2つのポイント
職場の人間関係を改善するためには、自分に意識を向けることが大切です。
なぜなら、他人を変えることは難しいけれど、自分の行動や考え方は変えられるからです。
自分の行動を変えてみる
相手の態度が冷たかったり、良くない反応が返ってきたりしたとき、「なんであの人はあんな態度なんだろう?」と相手のせいにしがちです。
でも、少し視点を変えて「自分の行動がどう影響したのか?」を考えてみることも大切です。

私が新人の頃、仕事が終わらなくて先輩が「手伝おうか?」と声をかけてくれたことがありました。
でも私は「大丈夫です」と遠慮してしまいました。
その結果、先輩は別の人のところに手伝いに行ってしまい、私は1人で泣きながら業務をしていました。
あるとき思い切って「ありがとうございます、お願いします!」と素直に頼ってみたら、先輩は快く手伝ってくれました。
それ以来、周りに頼ることへの抵抗がなくなり、職場の人とも打ち解けやすくなりました。
もし「どう行動を変えたらいいのかわからない」と思ったら、職場で「この人、素敵だな」と思う人の行動を真似してみるのがオススメです。
私の場合、以下のことを意識しました。
小さな行動の積み重ねで、周りの反応が変わることを実感しました。
自分の考え方を変えてみる
私たちは、それぞれ考え方の「癖」を持っています。
ネガティブに捉えやすい人もいれば、あまり気にしない人もいます。

例えば、職場でイライラしている同僚がいたとします。
- Aさんの考え方:
「私のことが嫌いだから、あんな態度なんだ…」
→ ネガティブになり、落ち込む or イライラする - Bさんの考え方:
「何かあったのかな?体調が悪いのかも?」
→ 自分に原因があるとは限らないと考え、冷静に対応できる
私は昔、Aさんのように考えてしまうタイプでした。
誰かの機嫌が悪いと「私が何かしたかな?」と必要以上に気にして、どんどん落ち込んでしまうことも…。
でも、「本当にそうなのかな?」と考える癖をつけたことで、少しずつ気持ちがラクになりました。
また、「全員に好かれようとしすぎない」ことも大切です。
職場には色んな人がいるので、全員とうまくやろうと頑張りすぎると、逆にストレスが溜まってしまいます。
適度な距離感を持ちつつ、「合わない人がいても仕方ない」と割り切ることも、職場の人間関係をラクにするコツです。
人間関係が良くならないときには、別の選択肢を持つ
介護の仕事は人との関わりが多く、業務を円滑に進めるためにもコミュニケーションが欠かせません。
だからこそ、人間関係のストレスは避けられないものです。
職場の人間関係を良くするために、自分の行動や考え方を見直すことも大切ですが、それと同じくらい 「自分自身を大切にすること」も重要です。
相手の顔色を気にしすぎると、仕事がどんどん苦しくなってしまいます。
まずは、自分の気持ちや負担にも目を向けながら、無理のない範囲で工夫してみましょう。
また、どれだけ努力しても人間関係が改善しないこともあります。
そんなときは、職場環境を変える選択肢もあることを忘れないでください。
部署異動や転職を視野に入れることで、気持ちがラクになることもあります。
一方で、今の職場を続けたいと考えている場合は、合わない人との関係を割り切るのも一つの方法です。
業務に必要なコミュニケーションは取りつつ、過度に気を遣いすぎないことを意識してみてください。
職場の人間関係に悩むことは、誰にでもあります。
でも、無理をしすぎず 「自分が心地よく働ける環境」 を大切にしてくださいね。
この記事が、少しでもあなたの気持ちを軽くする手助けになれば嬉しいです。
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