介護の現場で日々がんばる皆さん!
もし妊娠が分かったら、体力的にも精神的にもいろんな不安が出てきますよね。
「このまま仕事を続けられるかな・・・」
「お金のこと、生活のこと、どうしよう・・・」
でも実は、妊娠中や産後に使える制度は意外とたくさんあるんです!
知っているだけで、安心して妊娠・出産を迎えることができる制度ばかりなので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
出産・育児で休める制度(育児休業制度)

働く人が出産や育児のためにお休みを取れる制度です。
雇用形態に関わらず、条件を満たせば利用できる可能性もあるため、会社の規定を確認してみましょう!
制度名 | 内容 |
---|---|
産前産後休業(産休) | 出産前後に女性が取得できる休業。 |
育児休業(育休) | 原則1歳まで、延長で最大2歳まで取得可能。 男女とも対象。 |
出生時育児休業(産後パパ育休) | 出生後8週間以内に父親も取得できる特別な育休。 |
パパママ育休プラス | 父母がともに育休を取得すると1歳2ヶ月まで延長可能。 |
産休(産前産後休業)
- 対象は正社員・パート・契約社員など、働いている女性
- 期間は出産予定日の6週間前〜出産の翌日から8週間
- 申請したい場合は、出産予定日の6週間前までに会社に「産前産後休業届」を提出する

双子を出産する場合は、14週前からお休みが取れます!
育休(育児休業)
- 対象は1歳に満たない子どもを養育する男女の労働者
子どもが1歳6ヵ月を経過する日まで雇用契約がある場合に限る - 期間は子どもが1歳になるまで
※保育園に入れないなどの理由があれば、最長2歳まで延長可能 - 2回までは分割して取得可能
- 申請は取得する1ヶ月までに会社に「育児休業申出書」を提出する

入社1年未満でも、労使協定で対象外にされていない場合には育休を取得できる可能性があります。
自分の会社はどうなのか確認してみることがオススメです!
産後パパ育休(出産時育児休業)
- 対象は出生後8週間以内の子どもを養育する労働者
- 子どもの出生後8週間以内に最大4週間(28日間)取得可能
- 2回まで分割して取得できる
- 申請は原則休業の2週間前までに申請する

労使協定を結んでいる場合には、産後パパ育休中でも働くことができます。
パパママ育休プラス
- パパもママも両方育休をとったら、子どもが1歳2ヶ月になるまで育休を延長できる制度
- 要件:
※ 一人当たりの育休を取得できる最大日数(産後休業含め1年間)は変わりません。
出産・育児でもらえるお金(給付金・手当)

出産時や育休中にもらえるお金があります。
それぞれ支給される要件があるため、しっかりと整理していきましょう!
給付金名 | 支給額 | もらえるタイミング |
---|---|---|
出産育児一時金 | 子ども一人につき50万円 | 出産時に1回のみ |
出産手当金 | 平均月収の3分の2 | 出産の42日前〜出産後56日 |
育児休業給付金 | 休業開始前の賃金の67% 7ヶ月目以降は50% | 育休開始〜子どもが1歳になる前日まで |
出生時育児休業給付金 | 休業開始前の賃金の67% | 最大4週間 |
出生後休業支援給付金 | 休業開始前の賃金の13% | 最大28日間 |
育児時短就業給付金 | 時短勤務開始後の賃金の10%(上限) | 2歳未満の子どもを育てており、育休後に時短勤務で働く場合 |
出産育児一時金
出産育児一時金は、出産にかかる費用を、健康保険が一時金として支給してくれる制度です。
対象となる人
- 退職日まで継続して1年以上健康保険に加入していた
- 退職後6か月以内に出産した
支給額
出産した医療機関が「産科医療補償制度」に加入しているかどうかで異なります。
- 加入している医療機関で妊娠22週以降に出産した場合:1児につき50万円
- 加入していない医療機関で出産した場合:1児につき48.8万円

双子や三つ子の場合は、赤ちゃんの人数分支給されます!
申請方法
出産した医療機関が本人の代わりに「出産育児一時金」の申請を行うことが多いようです。
対応していない病院の場合は、自分で健康保険組合に申請することになります。
一度、出産予定の医療機関で確認してみることをオススメします。
出産手当金
出産のため会社を休んだときは、出産手当金が支給されます。
対象となる人
原則として、以下の条件を満たす必要があります。
支給額
1日あたりの支給額は、お給料(12ヶ月の平均)の約2/3です。
例えば、月給30万円なら、およそ20万円ほど受け取れることが多いです。
受け取れる期間
出産予定日(または実際の出産日)の42日前から出産の翌日から56日後までの計98日間が対象となります。

双子以上を出産する場合は、出産予定日の98日前から受け取ることができます!
申請方法
会社を通して健康保険組合に提出することになります。
会社の担当窓口に相談してみましょう。
※ 提出書類の中には産院の医師や助産師に記入してもらう項目があります。
育児休業給付金
育休を取った場合、雇用保険から給付金が支給されます。
対象となる人
育休申請時に雇用保険の被保険者で、以下の要件をすべて満たす方が対象となります。
支給額
育休開始から6ヶ月(180日)まではお給料(直近6ヶ月の平均額)の67%
それ以降はお給料の50%
受け取れる期間
育休を取得している期間と同じ(子どもが1歳になる前日まで)になります。
子どもが保育園に入れないなどの理由で期間を延長する場合には、育児休業給付金の支給期間も延長されます。
申請方法
基本的には、会社がハローワークに申請してくれます。
育休を取ると決めたときには会社の担当窓口に相談しましょう。
出生時育児休業給付金
これは産後パパ育休をとった人がもらえる給付金です。
つまり男性だけがもらえるお金になります。
対象となる人
育休申請時に雇用保険の被保険者で、以下の要件をすべて満たす方が対象となります。
支給額
支給額=賃金日額 × 休業日数(最大28日)× 67%
- 賃金日額を計算
→ 20万円 × 6ヶ月 ÷ 180日 = 約6,667円 - 支給額を計算
→ 6,667円 × 28日 × 67% ≒ 約124,700円
受け取れる期間
産後パパ育休をとっている期間が対象になります。(最大28日)
申請方法
基本的には育児休業給付金と同じ流れで申請します。
会社の窓口に相談し、必要書類を記入して提出しましょう。
出生後休業支援給付金
育児休業給付金や出生時育児休業給付金に上乗せされて支給されるもので、ママもパパも対象になります!
対象となる人
- 自分自身が、「育児休業給付金の対象になる育休」をあわせて14日以上取得していること
- パートナーが、出産から8週以内の間にあわせて14日以上の育休を取得していること

パートナーが働いていない場合やフリーランスで雇用保険に入っていない場合は、自分だけ条件を満たせば支給対象になることがあります。
支給額
支給額=賃金日額 × 休業日数(最大28日)× 13%
【例】月収が20万円の人が28日お休みした場合
- 賃金日額を計算
→ 20万円 × 6ヶ月 ÷ 180日 = 約6,667円 - 支給額を計算
→ 6,667円 × 28日 × 13% ≒ 約24,000円
受け取れる期間
女性:育休開始から最大28日間分が上乗せ支給
男性:育休を14日以上取得した後に、最大28日間分が支給
申請方法
基本的には育児休業給付金と同じ流れで申請します。
会社の窓口に相談し、必要書類を記入して提出しましょう。
参考:厚生労働省/2025年4月から「出生後休業支援給付金」を創設します
育児時短就業給付金
育児時短就業給付金は、育児と仕事を両立させるために短時間勤務を行う従業員をサポートする制度です。
対象となる人
育児時短就業給付金を受けるためには、以下の条件すべてを満たす必要があります。
支給額
育児時短就業中に支払われた賃金額の10%相当が支給されます。
ただし、育児時短就業開始時の賃金水準を超えないように調整されます。
受け取れる期間
子どもが2歳になるまで受け取ることができます。
申請方法
会社が申請手続きを行います。
利用したい場合、会社の窓口に相談し、必要書類を記入する必要があります。
参考:厚労省/2025年4月から「育児時短就業給付金」を創設します
出産・育児に関する休業制度と給付金の全体図

出産・育児にまつわる制度は、時期や条件によって対象となる制度や受け取れる金額が変わってきます。
「どのタイミングでどんな制度が使えるのか」
「給付金と休業制度の関係はどうなっているのか」
全体の流れや関係性を確認したいときに、ぜひ活用してみてください。
その他:活用できる制度

傷病手当
妊娠中の「切迫流産」「切迫早産」「重度のつわり(妊娠悪阻)」などで、医師から休業の指示が出た場合、健康保険の「傷病手当金」が使える可能性があります。
対象となる人
- 健康保険に加入している会社員、公務員、派遣社員など
- 妊娠により医師から療養のための休業指示を受けた人
- 仕事を3日以上連続で休み、4日目以降も働けない状態が続いている人
傷病手当金のポイント
- 支給開始は4日目から
最初の3日は待期期間、その後の休業日から支給対象になります。 - 支給期間は最長1年6か月
- 金額はお給料の約2/3程度
注意点
- 医師の診断書が必要
- 出産手当金と同時には受け取れません
- 有給休暇を使うと支給対象外になる場合もあります
失業手当
失業手当は「すぐに働ける状態」の人が対象のため、妊娠・出産・育児で働けない場合はもらうことはできません。
しかし、ハローワークで「受給期間の延長申請」をすることで、手当を“あとから”受け取ることができます。
対象となる人
- 雇用保険に1年以上加入していた人(原則12か月以上、条件により6か月もあり)
- 退職後、「すぐに働ける状態」で「求職活動」をしている人
※妊娠・出産・育児で働けない場合は「すぐに働ける」とみなされません。
失業手当のポイント
- 受給期間の延長申請を行うことで、受給申請できる期間が最大4年間に延長可能になる
- 支給額は日額で7000円程度
参考:ハローワーク インターネットサービス/基本手当について
まとめ:制度を利用して不安を軽減しよう!
制度を知ることで、不安を軽くしながら安心して働き続けることができます。
出産・育児に関わる制度だけでなく、体調を崩したときの傷病手当や、やむを得ず退職した場合の失業手当なども、私たちを支えてくれる大切な制度です。
今の仕事を続けたいときも、転職やキャリアアップを考えるときも、自分に合った制度をうまく活用して、未来の選択肢を広げていきましょう。
無理せず、我慢せず、制度を使って“守る”ことを大切にしてくださいね。
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